「ふう……」
「あれ、どうしたの?今日はいつもと違って暗いトーンで始まったわね。」
「いやね。祖母がなくなったからさ、葬式に出てきたんだ。」
「えっ!?そうなの?それはまた、ご愁傷様です……」
「まあ、なんだかんだで10年近く会ってない状態で他界しちゃったからな……顔ぐらい見せられれば良かったんだけど、そのへんは申し訳ない気持ちでいっぱいだね。」
「そう……」
「ただ、ずいぶん会ってなかったから、それほど悲しみは大きくなかったりするんだよね。」
「ホントに?冷たいわね……」
「自分でもさすがに冷血人間だと思うよ。ホント。死に顔を見た時はさすがにぐっときたけどさ。でも、綺麗な顔してたな。記憶にある祖母の顔そのままで、ホントにただ眠ってるだけに見えたよ。」
「生と死は紙一重か……こんなこと聞くのもなんだけど、死因はなんなの?」
「心臓らしいね。もともと心臓は弱くて手術したこともあったって。」
「そうなの……みなさんはバクスイみたいに後悔しないよう、家族と多くの時間をすごしてくださいね。」
「それじゃあ、今日は祖母の冥福を祈りつつ、締めたいと思います。できの悪い孫の祈りで申し訳ありませんが、どうか安らかにお眠りください。」