「うっうっ……ひぐっ……」
「うわ〜あんた何泣いてんのよ?」
「い、いや……なんでもないよ……」
「なんでもないことないでしょ?教えなさいよ。」
「い、いや……これは……」
バキッ!!
「あ〜うっとうしい!!はっきり言いなさい!!」
「じ、実はテレビを見ていて……」
「は?」
「『白い巨塔』の最終話を見て号泣しちゃったんだよ〜。」
「プクククククク……ドラマ見て泣いてんの?それはもう、『おっさん』じゃない。」
「くぅ〜だから言いたくなかったのに……いや〜ドラマ見て、うるっときたことくらいはあるけど、号泣するとは自分でもびっくりだよ。しかも、このドラマ見るの2回目なのに……最近、『死』について考えること多かったからかな……」
「なんか、あったの?」
「去年はかなり胃痛が長びいたから、このまま死ぬかもって思ったし、今年のはじめには高校の時の後輩が他界したって連絡があってね……今まで頭の隅に追いやられてた『死』の感触が身近なものに感じられるようになったのかもな。それを財前先生の死と重ね合わせてしまったのかな。」
「そう。あんたはまだ生きてるんだから、しっかりがんばらなきゃね。それじゃ、また明日〜(⌒∇⌒)ノフリフリ」