「今日の夢はなんとも不思議な夢だったな……」
「へぇ〜。どんな夢?」
「あんまりストーリー性はないんだよね。場面がけっこうとぶんだけど、とにかく、僕がペットを何匹か飼ってるんだ。」
「それで?」
「最初はネコを散歩させてるんだ。で、場面がとんで、今度は犬を散歩させてるんだ。それで、また場面がとんで、僕は家の縁側みたいなところにいて、あるペットを懐に入れてるんだ。」
「懐に入れてる?なにしてんの、それ。あっためてるの?」
「さあ。そこんとこは僕もわからないんだけど、とにかくさっきの犬がちょっと離れたところから僕の方をじっと見てるんだ。そこで、僕は何故かピンときて、懐に入れていたペットをとりだしてみると、思ったとおり死んでた。だから、僕は思いっきり名前を呼んだんだ。『ベン!!ベーーーーン!!』。そこで目が覚めたんだけど、起きた瞬間なんて言ったらいいのか、全身悲しみでいっぱいなんだ。夢だったのに、悲しいという感情は現実世界でも残ってた。涙こそ流してなかったけど、それこそ嗚咽が出そうなくらいに。」
「へぇ〜。不思議なこともあるものね。ところで、その『ベン』ってのは?名前からすると子犬みたいな感じだけど。」
「それが……」
「なによ?」
「……イカ……なんだ……」
「……はっ?イカ?イカってあの海にいる?」
「そう。あのイカ。」
「ぷっ……あんたは何飼ってんのよ。しかも、懐に入れるって。」
「夢なんだからしょうがないだろ!!でも、これは笑い話じゃないんだ。ホントに起きた時、悲しみでいっぱいだったんだ!!」
「はいはい。わかったわよ。あんたは飼ってたイカのベンが死んじゃって悲しかったんでしょ。それじゃ、また明日〜(⌒∇⌒)ノフリフリ」