サッカー観戦記
〜2002〜
僕が見たサッカーの試合について書きます。
基本的にテレビ観戦で、World Soccer中心です。
思ったことをそのまま書いているため、まとまりのない文章になっていますが、お許しください。
チャンピオンズリーグ
第1節
(9/18)
フェイエノールト(home)対ユベントス(away)
1−1
抜きん出た才能というのはフェイエノールトのほうが多いような気がしました。
ただ、一人一人の総合的な技術としてはやはりユベントスが上かなと思いました。
でもこの試合はフェイエノールトのほうが、相手DFを崩していたと思います。
フェイエノールトのほうから選手分析してみたいと思います。
まずソン・ジョングク。
この選手のすごさはキープ力ですね。
2人をいっぺんにかわしてのグラウンダーのパス。
あれはビュフェルに決めてほしいところでしたね。
そしてビュッフェルのスピード。
非常に速い。
ただし、決定的なシーンではずすなど決定力など、その他の能力に欠けるかなと思いました。
さらにはファンホーイドンクの高さ。
この選手にヘッドで競り勝てる選手はいませんでした。
それに後半ユベントスの壁が前に出すぎということで2回やりなおしたフリーキックを蹴ったのもこの人です。
連続で3本も蹴れば…ってのはありますが、3本目はいい曲がり具合をみせ、見事なシュートでした。
最後に小野。
やっぱり小野がこのチームのまとめ役というのはたしかなようです。
最初はあまりボールにからむシーンがなかったのですが、得点チャンスを生み出す絶妙なパスが数本ありました。
チームの信頼も集めているようで、伸び伸びとしたいいプレーをしていたと思います。
一方ユベントス側ですが、カマラネーシのミドルは絶妙な位置にとびましたね。
浮いたボールだったってのもありますが、いいドライブ回転がかかり、すごい落ち方をしましたね。
あのシュートはさすがにキーパーはとれないでしょう。
デルピエロはもちろん良かったです。
相手ディフェンダーをおきざりにしていました。
体のきれはすばらしく、絶好調というのもわかります。
ただディヴァイオとの連携がうまくとれていないように僕には見えました。
その代わりにネドベドとディヴァイオはいい感じで連携がとれていたと思います。
フェイエが例のフリーキックをきめた後は、特にユベントス側が熱くなっていましたが、結局1−1でドロー。
ユベントスのほうが評価は高いみたいですが、僕は抜きん出た才能がうまくかみ合えばフェイエノールトはかなりすごい力が出ると僕は思います。
あとはダイジェストでちらっとレアルマドリードの試合を見たんですけど、すごかったです。
僕はW杯で好きなプレイヤーベスト3にラウル、フィーゴが入っているんでレアルは応援したいですね。
でもレアルは反則ですよ。
まさにドリームチームです。
このチームに勝てるチームはいるんでしょうか…
チャンピオンズリーグ
第2節
(9/25)
レアル・マドリード(home)対ゲンク(away)
6−0
前半早い段階でフィーゴがわずかにあいたコースを狙ってシュート。
しかしキーパーのナイスセーブ。
ほんの一瞬の隙をつけるのはすごいですね。
ただ、フィーゴの調子はあんまり良くなさそうでした。
特にドリブルのきれがいまいちで相手ディフェンダーをしっかりかわせていないシーンが多かったと思います。
それから、最初は右のライン際にへばりついて何度も高いクロスをあげていましたが、実りませんでした。
それもそのはず、ラウルとグティのツートップではヘディング勝負をするには分が悪いと僕は思いました。
しかし、ラウルのボールコントロールはすごいですね。
ファーストタッチがまさに絶妙です。
前半終了間際、グティのシュートが相手ディフェンダーにあたり、オウンゴールになったあとの2点目。
これがまたすごかったです。
フィーゴとラウルの超近距離でのパス回し、最後に入れたのはディフェンダーのサルガドでしたが、絶妙なパス回しでした。
やはりラウルはグラウンダーのボールを預けた方がすばらしいプレーをみせてくれます。
その逆に空中戦の強さをほこるのがモリエンテスです。
途中出場でしたが、ラウルとのコンビネーションは抜群で、6点目は得意のヘッドでラウルの足元にきっちりボールをおとしました。
ラウルも最高のシュートをうちましたが、それをひきだしたのはモリエンテスだと思います。
僕としては、ラウルと組ませるならグティよりモリエンテスのほうがいいと思います。
ロナウドとなるとまた微妙になってきますけど…
一方のゲンクは最初のころはパスがほとんどつながりませんでした。
やはりレアルのプレッシャーのかけかたはすごいものがあります。
グティの4点目も相手ディフェンダーから奪ったボールをシュートしたものでした。
相手ゴールに近い位置でも積極的にボールをとりにいくので、対戦相手にとってみれば一瞬たりとも気が抜けなくて非常にやりづらいと思います。
それでも、ゲンクは前半守り重視のカウンター狙いというのが良くできていて、上がり気味のレアルゴールを何度かおびやかしていました。
レアルのキーパーカシーリャスも致命的なミスを犯したりしていたので、点がはいってもおかしくない状況ではあったと思います。
先に1点とっていたら結構もつれていた試合かもしれませんね。
最後の最後で鈴木がでてきましたが、やはりこういう使われ方しかないと思います。
厳しいようですが、本気で点をとりにいくのなら、今の状態の鈴木を出すべきではないと思います。
もちろん同じ日本人としてがんばってほしいですが、冷静に分析すれば、今はこういう負け試合の時、あるいは大差の勝ち試合の時に出して経験をつませる段階だと思います。
というわけで、レアルは万全とはいえない状況でしたが、強さは圧倒的でした。
ただ、全力で守ってカウンター狙いという戦法をとるのであれば、FWの強いチームなら勝てなくもないという印象でした。
チャンピオンズリーグ
第3節
(10/2)
ゲンク(home)対A.Sローマ(away)
0−1
試合が始まる前にスタメンとポジションが発表されたが、僕はその段階で驚きました。
トッティがフォワード!?
僕はW杯でしかトッティのプレーは見てませんが、そこではあきらかに司令塔のような役割をしていました。
だからそのトッティをフォワードにするくらいだから、ゲームを組み立てられる僕の知らないMFがいるのかなと思い、最初はそこに注目して見ていました。
前半開始8分か9分ころキーパーがペナルティエリア外でハンドをとられ、これがレッドカードで一発退場。
これはローマの一方的な試合になるかなと思っていたら、全然違いました。
10人になってしまったゲンクは攻めに人数をかけられないのですが、少人数での攻めがかなり形になっていました。
左サイドのダールデンのドリブルからのうまいクロス、それにFW二人の個人技でかなり決定的なチャンスをつくっていました。
このチームはしっかり守ってカウンターという戦術がぴったりくるのかもしれません。
一方のローマですが、前半はほとんどいいとこなしでした。
やはりこのチームはトッティがゲームメイカーです。
そのトッティが最前列にいたのでは、その機能がうまくはたせていませんでした。
もう1人のFWバティですが、決して悪くはありませんでした。
この選手は基本的に使われて味がでる選手なのです。
つまり、うまいクロスやラストパスをもらってゴールにボールをたたきこむ、そういう役割のはずです。
しかし、前半はそういうパスが全くといっていいほど回ってきませんでした。
フリーキックではあいかわらずすごいスピードのシュートをはなってましたけど。
そんなこんなで数的優位にありながら、うまい形にもっていけないローマはかなりいらだっていましたね。
後半ローマはカフーにかえて若いカッサーノを使ってきましたね。
カフーも僕の目からすると決して悪くなかったし、むしろ良かったと僕は思ってます。
しかし、後半このカッサーノがかなりいい活躍を見せました。
まず、バティへのグラウンダーのクロス。
あれはかなり絶妙でしたね。
キーパーの好判断で防がれましたけど、あそこにつっこんだバティのボールに対する嗅覚はさすがだと思います。
ああいうプレーこそバティの持ち味です。
そして、後半はやはりトッティがちょっと引き気味でした。
唯一とった1点もトッティのパスからです。
そのトッティのパスにモンテッラがDFと必死で競り合ってその結果クリアミスになったボールをカッサーノがヘッドで見事に決めました。
カッサーノのヘッドはペナルティエリア外からで、あまり目立ちませんでしたけど、かなりのスーパープレーだと思います。
結果1−0でローマでしたけど、終始押していたのは人数の少ないゲンクでした。
ローマが勝てたのはまさに運のみだったと思います。
ホント解説者も言ってましたけどローマの監督はアホじゃないかと思いましたね。
ローマはこれだけのタレントがそろっているのだから本来、余裕で勝てたはずです。
選手たちにあったフォーメーション、ポジションを考えてあげてほしいと思います。
ゲンクのほうは鈴木選手を出す場面がありませんでしたね。
いくら10人でスタミナがきれかかっていても、リズムがかみあっている以上、交代させなくて正解だったと思います。
ただちょっと運がなかった、ただそれだけだったと思います。
キリンチャレンジカップ
(10/16)
日本対ジャマイカ
1−1
ジーコジャパン始動、そして黄金のカルテットとよばれる中盤4人の活躍にかなり期待して見た一戦です。
開始早々、前半6分中田(英)のショートパスから高原がフリーの小野へつないで先制ゴール。
小野のあがっていくタイミングが見事でした。
そして、開始直後は中盤の4人が右へ左へポジションチェンジしながらいい感じでボールをつないでいました。
特によく動いていたのが、中村です。
左のオフェンシブMFが一応の定位置ですが、右にもちょくちょく顔をだし、ボールにさわっていました。
しかし、その後はなかなかシュートまでもっていくことができず、前半も25分を過ぎた辺りから、日本選手の動きがにぶくなってきます。
そして、目だったポジションチェンジもなくなってくると、ジャマイカがいい感じでボールをまわすようになります。
ジャマイカの選手は身体が強くて、足が速いという印象をうけました。
そのへんを活かした攻撃でうまくチャンスをつくっていたように思います。
しかし、そんな中でも日本の絶妙なプレーが2,3ありました。
この試合を通しても最高のプレーだったと思うのが、中村から名良橋へのスルーパスでした。
結果的に中田へ戻してのシュートははずれましたが、あれは完璧なパスでしたね。
もう1つは中田の右からのクロスに鈴木が頭であわせたシーン。
あのクロスも絶妙な位置にあがりましたね。
あそこできめられると鈴木もFWとしてかなりのものだといえるんですけど…
後半に入り、中田(英)と中村がポジションチェンジしていました。
今日は中村が右でいい活躍ができていたからでしょうか。
まあ二人はしきりに会話を交わしていたので、二人できめたことでしょうけど。
後半開始直後、服部がいいミドルシュートをうちました。
惜しくもバーにはじかれてしまいましたが、この試合、日本はミドルシュートが非常に少なかったと思います。
中田(英)も後半だいぶたってから1本うちましたが、もっとうっていって良かったと僕は思うんですけどね。
ジャマイカのほうは、後半かなり積極的に攻めてきて、何度かいい形をつくっていました。
1人でDF3人ひきつけてフリーの選手にパスしたところなんかはとても良かったですね。
結局後半34分左からのクロスをヘッドし、DFにあたってこぼれたところをもう一回シュートし、これがきまって同点。
そのまま1−1でドローとなってしまいました。
僕としては期待はずれの試合でした。
これだけの選手が揃えば、かなりすばらしいプレーができるものだと思っていましたが、そういうわけでもなかったみたいです。
原因としては、コンディションが万全でなかったこと、チームとしての練習がほとんどできなかったこともあるとは思いますが、僕が考える一番の原因は戦術がなかったことだと思います。
ジーコ監督は自由にプレーさせようとしたみたいですが、寄せ集めのチームでそれはかなり難しいことだと思います。
結局は誰を中心にボールをまわしていくのか、どんな形でゴールを狙うのかが全然見えてきませんでした。
そのせいで、相手の隙をついてたまたま1点はとれましたが、相手のDFを崩したというシーンは全くといっていいほどみられなかったと思います。
その証拠に今日は『決定的なシーンでした』という実況が全くありませんでした。
さらにDFラインの統制がとれていなかったせいで、危ない場面がけっこうありました。
自由にプレーさせるにはまだ早いし、いずれにしても基本戦術というものは必要なんじゃないかと思った一戦でした。
ただ、個人個人の能力はかなり上がってきているなと思いました。
この選手たちの能力が戦術の中でうまくかみ合った時すばらしい力が発揮できると僕は思いました。
今後どうなっていくのか見守っていきたいと思います。
プレミアリーグ
第10節
(10/19)
フルハム(home)対マンチェスターユナイテッド(away)
1−1
残念ながら、稲本は出ませんでしたね。
さすがに、日本でジャマイカ戦を戦って中2日では疲れているとみなされてもしかたないです。
マンチェスターユナイテッドはロイ・キーン、ファーディナンド、ファン・ニステルローイなどが出られないのが効いたのか、前半は特に苦しんでいました。
フルハムのほうが、確実に中盤でボールをまわしていたし、よくスルーパスが通って、決定的なチャンスをかなりつくっていました。
一方のマンチェスターはミスパスが目立ち、全然ボールがつながらず、攻めるときも縦パス一本に頼るようなかんじでした。
そんな状況の中で、先制したのはずっとおしていたフルハム。
左からの長いクロスを1人目がスルー。
これがうまかったですね。
この時点でキーパーは不意をつかれ、動けなくなりました。
そして、その奥にいた選手が、マンチェDFがクリアしようとしたボールをおしこんで1点。
見事な先制点でした。
1点をとられて、さすがにマンチェスターの動きは激しくなりました。
前半の起点はベッカム。
数本いいクロスやロングパスがありましたが、実りませんでした。
前半はベッカムが多少がんばっていたという印象でしたが、ギグスはほとんどボールをさわっていなかったし、ヴェロンが周りと全然かみあっていないように見えました。
後半になって、スコールズが下がり気味、ギグスが上がり気味のポジションをとるようになると、ある程度いい攻撃ができるようになりました。
ギグスは後半始まってすぐ、いいドリブルを見せましたし、頭でおとしてスールシャール(ソルスキア?)のいいシュートをひきだしたりしていました。
スコールズにいたっては、後半のマンチェ攻撃の中心となっていました。
DFもうまいし、ミドルもうてるので、ボランチの位置でいいのではないかと思います。
逆にヴェロンはボランチで生きる選手じゃないです。
ヴェロンの持ち味は鋭い読みと正確なパスだと思います。
この選手はディフェンスはさほどうまくないので、トップ下あたりで使うしかないと僕は思いました。
それと、まだチームにうまく溶け込めていないような感じがします。
唯一タイミングがあってるのがスコールズで、それ以外の選手とはうまく連携がとれていなくて、パスミスになることが多かったです。
他にマンチェで良かった選手は、FWのスールシャールとGKのバルテズです。
スールシャールのシュートはまさに枠をはずさないです。
マンチェがとった1点も全く角度がなく、あの位置、あのスピードで蹴らなければ、絶対キーパーにとめられていました。
それ以外にも何本もいいシュートうっていて、いいFWだなと思いました。
バルテズのほうはもうファインセーブの連発でした。
何回決定的なシーンをとめたかわからないくらいです。
特に、あのPKをとめたのが大きいです。
イエローカードをもらうまで相手を焦らしたあたりはさすがとしかいいようがありません。
後半も終わりに近づくにつれてマンチェのほうもだんだんいいプレーがでるようになっていったので、見ていておもしろかったです。
今度は今回出場していない選手たちが復帰した完全体のマンチェが見たいなと思います。
チャンピオンズリーグ
第4節
(10/23)
オリンピアコス(home)対マンチェスターユナイテッド(away)
2−3
マンUは前回見たフルハム戦に比べて、さすがにスコールズが下がり気味の位置でプレーしていたので、4−4−2というよりは4−5−1のような感じでした。
しかし僕としてはワントップでいくのなら、トップ下の位置にはヴェロンだろ!!と思いました。
スコールズはDFもうまいし、強烈なミドルシュートももっているので、ボランチで十分通用するはずです。
まあそんなこんなで始まったこの試合。
まずはベッカムのコーナーキックにブランがあわせましたが、惜しくもキーパーにはばまれました。
そしてもう一度ベッカムのコーナーキック。
今度はファーサイドでスコールズがノートラップでボレーシュート。
惜しくも枠にはいきませんでしたが、これは強烈でした。
とりあえず、ギグスのコーナーキックにフリーでブランがあわせてマンUが1点先制しました。
その後はお互い攻め手に欠きあまり特筆すべきところはありませんでした。
後半に入り、ヴェロンが2人交わしてギグスにパスし、相手DFにちょっと奪われかけたところにもう一度ヴェロンがしっかりボールをもち、そのままミドルシュート。
これが決まってマンUが2−0でリード。
それまでDFが崩されることもなかったマンUはベッカムとギグスを交代させました。
しかし、2点を追うオリンピアコスはそこから激しく攻めだします。
マンUのセンターDFのスピードのなさをうまくついて、オリンピアコスは中央ドリブル突破という作戦にでました。
これがうまくいき、同じような形でたてつづけに2点とり、2−2。
試合を振り出しに戻します。
こうなってくるとベッカム、ギグスをさげたマンUは不利かと思いましたが、ピンチを救ったのはヴェロンとスコールズ。
点をとりにいかねばと思ったのか、ヴェロンがだいぶ前線まであがるシーンが多くなりました。
やはりヴェロンは攻撃でこそ味がでます。
そして、スコールズのミドルシュートは本当に強烈です。
この試合何本もうっていましたが、彼の持ち味がでていたと思います。
そしてヴェロンからの絶妙なパスをスコールズが得意のミドルでおしこんで、3−2。
残り時間も少なかったので、ここでヴェロンも交代。
結局そのまま3−2でマンUが勝ち、早々と2次リーグ進出を決めました。
そろそろニステルローイとファーディナンドが戻ってくるらしいので、さらに安定した強さを発揮することと思います。
この間も書きましたが、完全体のマンUを早くみたいなと思います。
チャンピオンズリーグ
第5節
(10/31)
レアル・マドリ−ド(home)対A.Sローマ(away)
0−1
まず、最初に言いたいのは、この試合、結果を知った状態で見たんですけど、すごくおもしろかったです。
ハイレベル、かつ攻撃的な試合は見ていてとてもおもしろいものです。
細かいプレーにも光るものがたくさんあって何を書いていいのやらわからないのですが、なんとかかいつまんで書いておきます。
基本的にもともと攻撃的サッカーをするレアルが終始攻めてはいました。
しかし、ローマのディフェンスはキーパーを含めかなりがんばっていました。
特にフィーゴへのマークはきつく、フィーゴがボールをもつと通常2人のマークがついていました。
さらに、中盤でのプレスも良かったし、最終ラインもしっかりとしていて、レアル側のオフサイドが目立ちましたね。
そんなこんなで、まずチャンスをつくったのはレアル。
サルガドのクロスをフリー気味でラウルがヘッドしたが、おしくも左にはずれます。
そして、序盤で目立ったのがジダンのキープ力です。
やはりレアルの中盤、起点となるのはこの人だなと思いました。
そのジダンがミドルシュートをうち、キーパーがはじいたところにラウルがつめてゴールネットをゆらしたのですが、これはオフサイド。
押し気味のレアルだったのですが、先に点をとったのはローマ。
エメルソンのパスをうけ、中央でモンテッラがキープし、流れたボールをトッティがミドルシュート。
これが見事に決まって1−0。
そんな感じで、ローマもレアルに中盤を支配されているという印象はうけませんでした。
基本的にはボールはしっかりと回せていました。
しかし、やはりローマの持ち味はカウンターからの速攻。
今回はこれがしっかりとできていた感じがしました。
そういう試合運びだったので、今回のトッティの役割はゲームメイクではなく点をとることだったようですね。
ミドルレンジから積極的にシュートをうってました。
ゲームメイクも可能ですが、ストライカーとしても超一流だと思いました。
ただ、やはりトッティは最前線ではなく少し引き気味の位置がベストポジションなんだなとも思いました。
はずれはしましたが、技ありのループシュートもありましたし。
後半モンテッラにかえてバティがでてましたが、こういうカウンターでいくのなら、モンテッラのほうが僕はいいと思います。
モンテッラはとてもキープ力のある選手で、自らもっていけるのに対して、バティはいいパスをうけての強力な決定力が武器だと僕は思ってます。
結果ローマが1−0で勝ちましたが、レアルは決して悪くなかったと思います。
ロナウドも恐ろしいドリブルを見せていました。
あれはとめられないですね。
ラウルもDFの裏からのとびだしはおおっと思わせるものがありましたし、惜しいシュートも何本かありました。
結局どちらが勝ってもおかしくない試合内容だったと僕は思います。
チャンピオンズリーグ
最終節
(11/14)
A.Cミラン(home)対デボルティーボ(away)
1−2
今回はミランがすでに1次リーグ突破を決めていて、主力選手を温存していたので、ちょっと見どころに欠ける試合でした。
僕としても、インザーギの爆発ぶりを見てみたかったので、ちょっと残念でした。
まあそんなこんなで始まった試合でしたが、先制したのはなんとミラン。
カラーゼの左からのクロスにトマソンが地面にたたきつけるようなヘッドで1点。
これはDFの間の絶妙な位置にあがったクロスで、見事でした。
自力で1次リーグを突破するには負けられないデボルティーボは、攻めはするもののなかなかいい形をつくれませんでした。
そんな中、目立ったのはトリスタン。
DFの間を通すパスもすばらしかったし、後半、反撃の糸口となるミドルシュートは強烈でした。
これで1−1。
そして、その後、インターセプトからカウンター気味に縦パスが1本でて、それをマカーイがきっちり決めて逆転。
試合は結局そのままで1−2。
デボルティーボが自力で1次リーグを突破しました。
主力を欠きながらもミランのほうがいい形はつくれていたと思います。
ただ、デボルティーボも少ないチャンスをきっちりいかしていたのでよかったと思います。
次はミランのフルメンバーでの試合を見てみたいです。
セリエA
第10節
(11/17)
A.Cミラン(home)対パルマ(away)
2−1
いや〜、この試合、久々にかなり興奮しました。
観ていてすごくおもしろかったです。
まず序盤、ペースをつかんだのはホームのミランです。
そして、このミランの攻撃がまたすごい。
クロスボールを入れる時には、中に必ずといっていいほど3人待ってました。
これは相手DFにとっては脅威ですが、観ている方にとってみれば、すごくおもしろいです。
全体的に観て、ミランの攻撃パターンとしては、リバウドがキープして、そこからルイ・コスタへパスを出して、ルイ・コスタがラストパスを出す。
この形が一番多かったと思います。
あとは、インザーギへのスルーパス。
インザーギのポジションどりがまたすごかったです。
DFが見えないであろう位置に必ずいて、そこから飛び出し、スルーパスをもらう。
これなら得点を量産しても不思議ではありません。
しかし、その後、目だったのはパルマの中田でした。
僕はパルマでプレーする中田を観るのは初めてだったのですが、見事にはまってましたね。
今回すごくいいなと思ったのがポジショニングです。
最初にはなったシュートも抜群の飛び出しからでした。
おしくもシュートコースがふさがれてしまい、バーの上でしたが、決定的なシーンでした。
また、その後も絶妙のヘッドやミドルシュートの連発、後方から走りこんでのパスカット。
観ていてしびれましたね。
一方のミランのキーマンはリバウド。
FWでありながら、かなりさがった位置でプレーする選手です。
この選手がある程度相手DFをひきつけて、パスを出すところから数々のチャンスが生まれました。
ヘルベグとのワンツーでシュートにまでもっていった時はすごく綺麗でした。
パルマもそのへんがわかってくると、リバウドにボールがわたると3人くらいで囲みに行ってました。
結局は2本のPKをもらって、それをピルロがきっちりきめたので、ミランが勝利しましたが、今回はどちらが勝ってもおかしくなかったです。
このピルロのPKもタイミングのはずし方なんかはとてもうまかったのですが、フィールドプレーで1点もぎとったパルマもすごかったです。
何度も惜しいシーンがあったので、ちょっと運がなかったかなと思います。
ホントにおもしろい試合でした。
日本代表対アルゼンチン代表の試合もこのくらいおもしろくなってくれたらなと思います。
キリンチャレンジカップ
(11/20)
日本代表(home)対アルゼンチン(away)
0−2
僕はこの試合、メンバーからみてもアルゼンチン本気だし、日本は終始おされ気味の試合になるかと思っていたのですが、全然違いましたね。
ジーコ監督の教えをしっかり守るかのように攻撃的なサッカーを一貫して貫いていました。
そういった意味では観ていてとてもおもしろい試合でした。
試合開始と同時に本気で攻めてくるアルゼンチンに対して、日本は本気で攻め返していました。
アルゼンチンのほうがこの試合にかける意気込みはすごいのかなと思っていたのですが、むしろ日本のほうがすごかったです。
序盤からオーバーペースじゃないか?と思うくらい走り回り、ものすごく激しいあたりを見せていました。
これはアルゼンチンをいらだたせるのに役立ったかもしれません。
早く点の欲しい、というよりも大量得点で勝ちたいアルゼンチンは序盤は安易な縦パスが非常に多かったです。
もう少し落ち着いてゆっくりボールを回してやれば、日本は疲労がたまり、闘志が衰えていったと思います。
そんなこんなで、序盤ペースをつかんだのは大方の予想に反して日本。
そして日本の選手は今回いつになくいい動きをしていました。
まず、中村俊輔。
まさに世界トップクラスのプレーヤーに成長したなと僕は思いました。
今回見せつけてくれたのが恐ろしいほどのキープ力。
3人に囲まれても奪われない、すごいキープ力でした。
残念ながら、今回はセットプレーで見せ場はつくれませんでしたが、その存在感はNO.1でした。
そして海外組である鈴木も僕が今までに観た中では一番キレてました。
あれほどのドリブルができるとは思っていませんでした。
さらには高原。
非常にがんばっていました。
自ら点をとろうという意識が感じられましたし、一方でいいアシストパスも出せていました。
そして、後半中山とのコンビネーションはさすがに良かったです。
ジュビロコンビ、すばらしいです。
中山も35歳だというのに闘志という点では誰にも負けていませんでした。
絶対間に合わないタイミングでもダイビングヘッドにいく姿勢というのはかいたいですね。
前半を0−0で折り返しての後半始まってすぐの2点。
これは非常に痛かったです。
1点目はベロンのフリーキックがショートでくるとは思わなかったのでしょうか?
DFの足が完全に止まってしまっていました。
そこにソリンが振り向きざまのシュート。
高原は枠をとらえることができませんでしたが、ソリンはきっちりと右スミに決めてきました。
このへんはさすがだなと思います。
そのすぐ後の2点目は完全に崩されてました。
ベロンからオルテガにボールがわたり、その右をサネッティがおとりであがっていくのにDFが全員つられて、中のクレスポを完全フリーにしていました。
そこをしっかりみてあげたオルテガも、それをきっちりきめたクレスポもさすがとしかいいようがないです。
このプレーはさすがアルゼンチンだなと思わせてくれるプレーでした。
しかし、それ以外はアルゼンチンはチャンスらしいチャンスをつくれていなかったと思います。
ベロンもロングフィードの正確なパスはさすがでしたが、ゴール近くでは日本のDFが早めに囲んでつぶしていたので、かなりいらだっていました。
今回は4バックのラインもかなりまとまっていて、しっかりオフサイドトラップも狙えていたし、良かったと思います。
見方は人それぞれ違うとは思うんですけど、とある新聞には日本完敗と出ていました。
僕は惜敗くらいでいいんじゃないかなと思っています。
正直いって、今回はアルゼンチンの強さではなく、日本の強さが際立った試合だったと僕は思っています。
そして、ジーコ監督の考える攻撃的なサッカー、かなり実践できていたと思います。
日本は世界トップレベルのチームと十分にわたりあえる力をつけてきている、そう思います。
この時が黄金時代だったといわれないように、すばらしい選手がどんどんでてくることを祈ります。
トヨタカップ
(12/3)
レアル・マドリード対オリンピア
2−0
だいぶ遅くなってしまったのですが、感想を少し書いておきます。
僕としてはあまりおもしろくない試合でした。
どちらもDFが甘く、パスが簡単に通っていたのが一番の原因だったと思います。
DFをこじあけるようなすばらしいプレーというのがあまり見られなかったのが残念です。
まあ、逆に得点チャンスが多くておもしろかったという人もいるでしょうが。
そして、この試合で強く感じたのは、ロナウドはレアルには、いらなかったということです。
というよりもむしろ入れるべきではなかったと思いました。
確かにロナウド選手はすばらしいプレーヤーです。
しかし、このチームにはあわないと思います。
まず何よりラウルとあわないです。
ラウルの一番の良さはそのポジショニングのすごさにあると思います。
しかし、ロナウドが前線にはりつくことによって、ラウルの動けるスペースがなくなりかなりさがった位置にいるしかなくなりました。
あれではラウルの良さがいきてこないです。
さらにラウルはそれほど身長が高いわけではないので、フリーにならなければヘッドでの得点は難しいです。
しかし、ロナウドも足元のボールを一番得意としていて、ゴール前でも頭でおしこめるような位置どりはなかなかしません。
これではフィーゴやロベルト・カルロス、それにジダンがいくらいいクロスをもっていたとしても、目標となる選手がいないのです。
だから、モリエンテス、あるいはグティあたりと組ませるのがラウルにとっては一番いいと僕は思います。
現にグティは交代してすぐフィーゴのクロスに頭であわせて1点とってますし。
そんなこんなで、ラウルにあまり見せ場はなかったのですが、ロナウドが1点いれたときもさりげなくスルーしているんですよね。
たぶんそのせいでロナウドに渡ったボールにDFが反応しきれず、倒れてしまったのだと思います。
まあ僕はラウル好きなのでひいき目が入ってますけど。
レアルはすごいプレーヤーをたくさんかかえていますが、すごすぎてそれぞれの個性を殺しあっているような気がします。
ロナウド、ラウルは先ほどいった通りだし、フィーゴも本来はゲームメイクもできるし、DFだってうまいのに、このチームでは右サイドにはりついてやたらとクロスをあげるだけになっているような気がします。
すごいプレーヤーだからといってむやみに獲得するのではなくて、そのチームに必要なプレーヤーをいれていってほしいなと思います。
それが選手たちのためにもなるはずです。
なんだかトヨタカップの話からずれてしまいましたが、そんなことを思いました。
セリエA
第13節
(12/8)
パルマ(home)対レッジーナ(away)
2−0
この試合、中田対中村ということで、非常に注目されていた試合ですね。
この2人はホントにすごいと思います。
どちらも、チームの中心選手となっていて、背番号10にふさわしい動きをしていたと思います。
まず、中田はまさに右サイドとしてポジションをとっていました。
チャンスであったり、ポジションチェンジをする時は中に入ってきたりしますが、右にいる時間は長かったです。
今回、味方からいいパスが入ってこなかったため、あまり目立った活躍はしていませんでしたが、要所要所で能力の高さをうかがわせるプレーがいくつもありました。
一方の中村は、ポジションにこだわらず、行動範囲はとても広いように感じました。
左にいたかと思えば右にいるし、前にいたかと思えばDFしていたりする。
そんなポジション不定の動きをしていました。
相変わらずドリブルは冴えてましたし、一瞬のスキをつくパスも見せていました。
1点とられての交代は試合を捨てて、中村を休ませたとしか思えなかったんですが、本当のところはどうなんでしょうね?
結局はパルマが2−0で勝ちはしましたが、結局チーム力の差だったと僕は思います。
中田対中村ということでは、僕は甲乙つけがたいと思いました。
個人的な意見で言えば、中村の自在に動き回るプレースタイルのほうが見ていて楽しいし、好きです。
もちろん中田も献身的な動きで自分の役割をしっかりこなしていましたけど。
この2人の攻撃にうまく反応してくれるFWがいればなあと思います。
それはパルマにもレッジーナにも、さらには日本代表にも言えることだと思います。