小説(兼日記)12月前半版

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12/1版

「しまった〜!!」

小次郎は1人のたうちまわっていた。
今日の競馬、素直にピースオブワールドから買っていれば……
2着のヤマカツリリーはあまり人気があった馬ではないので、高配当だったのだ。

無理して逆らうんじゃなかった。

まあそんなことを思ってもしかたがないのだが、やはりどうしても考えてしまう。
今日はとれそうだっただけに、特に悔しい小次郎であった。




本 日 の 爆 睡 度
長さ 深さ 目覚めの良さ 早寝早起き具合 総合

12/2版

タマネギ置くといいのか……」

小次郎はテレビを見ていたが、タマネギを半分に切って枕元に置いておくと安眠できるらしい。
タマネギに安眠できる成分が含まれているらしい。

試してみるか……

しかし、常に爆睡している小次郎では正確な実験結果がでないことは明らかである。




本 日 の 爆 睡 度
長さ 深さ 目覚めの良さ 早寝早起き具合 総合

12/3版

「あんまり燃えねえな……」

小次郎はトヨタカップ、レアル・マドリード対オリンピアを見ていてそう思った。
原因は両チームともにDFが甘すぎたことだと思う。
そのせいでパスが簡単に通りすぎた。
確かにゴール前でのチャンスは多かったが、DFをこじあけてとった点ではない。
そのへんが退屈なゲームだと感じてしまった原因ではないだろうか。

もっとおもしろい試合が観たいと思ってしまった小次郎であった。




本 日 の 爆 睡 度
長さ 深さ 目覚めの良さ 早寝早起き具合 総合

12/4版

「明日から早く起きるぞ!!」

「はいはい」

「ホントだって!!」

小次郎は決心した。早寝早起きをしようと。
今まで夜にやっていたことを朝やればいいだけのことだ。
ただ、それだけのこと……

しかし、それが結構難しい。
何度同じような決心をしたかわからない。
だから咲羅もまともにとりあおうとはしない。

「今度こそ本気だ〜!!」

自分に言い聞かせるように言った小次郎であった。
まああてにはならないが……




本 日 の 爆 睡 度
長さ 深さ 目覚めの良さ 早寝早起き具合 総合

12/5版

「あれ?お父さん。ホントに起きてきたのね。」

「ったりめーだ。やると決めたらやるのが男ってもんだ。」

「今までずっとやらなかったくせに。」

そう、昨日予告したとおり小次郎は朝早く起きた。
実に珍しいことである。

「それはいいとしてその鼻から額にかけてのラインは何なの?」

「ん?何のことだ?」

「鏡でも見てみたら?」

咲羅に言われて鏡を見た小次郎は……

「なんじゃこりゃ〜!?」

まさに咲羅が指摘したとおり鼻から眉間にかけて青っぽい痣のようなラインができていた。
小次郎にはまったく心当たりがなかった。
別段痛みもない。

「きっと珍しいことしたからよ。」

咲羅は笑いながら言ったが、もはやそうとしか考えられない。

「こんなことで負けねえぞ〜!!」

めげずに明日も早起きしようと思った小次郎であった。




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12/6版

「あれ〜?今日も早いのね?」

「あたぼ〜よ。もうこの時間に起きるつけるからな。」

「まあ、明日が見物ね。まず第1関門は3日目なのよね。」

「まあ見てろって。」

「期待してないけどね。」

とにかく早起きはいいもんだと小次郎は思った。
明日も起きられればきっと長く続くはずだ。




本 日 の 爆 睡 度
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12/7版

「あ……寝ちまった……」

いや、小次郎は確かに朝早く起きた。
そして、顔を洗って、ちゃんと朝飯も食べた。
しかし、出かけるまで時間があったので、ちょっと油断したら寝てしまったのだ。

「う〜ん……こういう場合は……」

どうなのだろう?
続く……のか?

きっと続くさ、いや続けてみせる!!
結構な気合がまだ残っているため多分大丈夫であろう。


※『本日の爆睡度』の『早寝早起き具合』がAであれば、ちゃんと続いているということを意味します。




本 日 の 爆 睡 度
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12/8版

どうやら明日東京はらしい。
天気予報なのであてにはならないが、ちょっと期待してしまう。

朝起きたら一面銀世界
小次郎の故郷ではよくそんなことがあったが、東京ではまずない。

ちらちらと降る程度であれば、雨よりもむしろいいと思う小次郎であった。




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12/9版

「マジかよ!!」

今日も早起きをした小次郎は窓の外を見て驚いた。
そこは一面銀世界であった。
東京ではそうそうないと思っていたのだが……
やっぱり雪は綺麗でいい。

電車はそこらじゅうで止まっていて大変だったが、小次郎は結構ウキウキしていた。
久しぶりに足から伝わってくる雪の感触を楽しんだ。
を持つ手がかじかんでいたが、それもまた良かった。

オレが珍しく早起きなんてしてるから雪が降ったのかな?

そんなことを思わずにはいられない小次郎であった。




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12/10版

「さむっ!!」

さすがに雪が降ると一気に寒くなる。
しかし、1日で雪はほとんどなくなってしまっていた。

ちょっと寂しい気がする小次郎であった。




本 日 の 爆 睡 度
長さ 深さ 目覚めの良さ 早寝早起き具合 総合

12/11版

「うっ……」

小次郎は1日遅れで『アルジャーノンに花束を』を見て泣きそうになった。
自分で認識できる程度のスピードで知能が低下していくというのは、計り知れない恐怖だと思う。
そんな状態であるにもかかわらず、主人公ハルは周りの人のことを考えてあげられる優しい男だ。

オレだったら耐えられないかもな……

小次郎はそう思った。

しかし、死ぬという選択肢を選ぶことも果たしてできるかどうか……
死ぬことと知能が低下していくことと、どちらがより恐ろしいのだろうか。
しかも、明日どれだけ知能が低下しているかわからないなら、明日はまだ大丈夫かもしれない、そんな気持ちがきっと芽生えるだろう。
そんな気持ちになってしまったら、死ぬことをどんどん先延ばしにしてしまうに違いない。

とにかくこのドラマは来週、最終回らしい。
どんな結末が待っているのか、しかと見届けたいと思った小次郎であった。




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12/12版

「何か頭痛えな〜」

今日小次郎は頭が痛かった。
風邪でもひいたのかもしれない。
布団1枚で寝ているのが悪いのだろうか?
やはりそろそろ毛布でもかけたほうがいいのかもしれない。

小次郎は部屋ではなるべく薄着でいるようにしている。
それで、暖房の温度を高めに設定する。
これはどうやら北海道方式らしい。
不経済かもしれないが、厚着をしていると疲れるのだ。

まあ薬を飲んで爆睡すればなおるだろう。
小次郎はそう思った。




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12/13版

※今日の日記は頭の体操になってます。お暇な方は誰が何着か考えてみてください。答えは近日中に載せます。

「ねえ、今日の男子の体育はリレーだったんでしょ?神慈は何着だったの?」

「ん?オレか?そうだな〜。」

学校からの帰り道、神慈はそういうと不敵な笑みを浮かべた。
こういうときは神慈が何か企んでいる時だということを咲羅は知っている。
案の定神慈は面倒な言い方をした。

「オレが一緒に走ったのは明、一郎、昇、剛だ。それで、コースは左から1レーン、2レーンという数え方だった。」

「何か回りくどいわね。」

「まあ聞けよ。大方の予想では昇が1着ということだった。」

「昇くん足速いもんね。」

「ああ。そんで、結局は4着のヤツは明のひとつおいて隣のレーンを走った。剛の左のヤツは5着だった。一郎は4着のヤツのひとつおいて隣のレーンだった。剛は5着と1着の間だった。1レーンのヤツは2着で、オレの右のヤツは3着だった。そして、昇は一郎と4着のやつの間だった。」

「何で、素直に教えないかな〜。」

「まあ帰っておっちゃんに聞けばすぐわかるさ。ほんじゃな〜。」

「ち、ちょっと!!もう〜。」

神慈はそういうとさっさと自分の家のほうに歩いていってしまった。




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12/14版

「え〜っと、忘れないうちにメモっとかないと……」

咲羅は結構記憶力はいいほうだ。
さっきの神慈の言葉を思い出しながら、重要と思われるポイントを書き出していった。

  1. 走ったのは神慈、明、一郎、昇、剛の5人
  2. コースは左から1レーン、2レーンという数え方
  3. 大方の予想では昇が1着
  4. 4着のヤツは明のひとつおいて隣のレーン
  5. 剛の左のヤツは5着
  6. 一郎は4着のヤツのひとつおいて隣のレーン
  7. 剛は5着と1着の間
  8. 1レーンのヤツは2着
  9. 神慈の右のヤツは3着
  10. 昇は一郎と4着のやつの間

「ん〜どっから手をつけたらいいのかな……」

咲羅はしばらく悩んでいた。




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12/15版

「お父さん、ちょっといい?」

「ん?どうした?」

咲羅は考えるのが面倒になったので、暇そうに新聞を読んでいた小次郎に訊くことにした。

「これちょっと考えてほしいんだけど。」

勉強ならわかんねえぞ。」

「勉強じゃなくて、これなんだけど……わかる?」

そう言って咲羅はメモをみせた。

「なんだ。パズルみてえなもんか。どれどれ……ああ、こんなのちょっと考えればすぐわかるじゃねえか。」

「ホント?じゃあ神慈は何着?」

「まあそうあせるなって。こんなのは順々にやってけば解けるようになってんだ。」

そう言って小次郎は説明を始めた。




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